琥珀の色
バルト海の琥珀は、約5000万年前に北欧に生息していた松科針葉樹の松脂(やに)が化石化したものです。当時そこには巨大な針葉樹林が生息しており、それら針葉樹の樹脂が落ちた土床は川によって削り取られ、南方の海へと流されていきました。そして、長い年月を経て、それらの松脂は琥珀へと姿を変えていったのです。
バルト海の琥珀は主に黄色が多いですが、乳白色や茶、赤の他にも緑がかったものや青みがったもの、黒や灰色など、専門家によればその数は250種にものぼるといいます。それらの色相も独特な色合いをもつものもあれば、2色あるいはそれ以上の色によって描かれた、まるで芸術作品であるかのような興味深いものもあります。また、透明度も、透明なものもあれば、半透明なもの、不透明なものとさまざまです。
バルト海の琥珀は針葉樹の松脂(やに)でできており、若い樹木の松脂の色は、透明で鮮明な黄みを帯びています。松脂が琥珀へと姿を変えても、この色はそのまま琥珀に残りますが、中には例外もあります。
・松脂の揮発成分が松脂の色を濁らせる(これにより、黄色から乳白色へと色相が変化する)
・様々な微小物質が松脂に混合することよって、色相に変化をもたらす(青、緑、黒、茶色)
・酸化が色相に濃度を与える(赤、黒みがかった赤、濃黄色)
このように、琥珀の色は、松脂に混合するさまざまな微小物質や主要含有成分によって変化します。
(黄味がかった)透明色は、琥珀の「原色」とも呼ばれています。これらの琥珀は全体の約10%程度を占めますが、そのほとんどが小粒であり、大きなものは非常に稀である為、価値が高いと言われています。透明色は酸化度数によって黄色から濃茶色へ変わります。また、インクリュージョン(内包物)は、透明で薄い琥珀の中に見つかることが多いと言われています。
天然の赤色の琥珀は非常に稀であり、その占める割合はたった0.5%です。この色は、オレンジ系から黒みがかった赤色に及びます。現在では、加熱処理によって赤みの色を出すことが可能である為、この技法が多く用いられいます。
黄色の琥珀は全体の約70%を占めています。不透明なものが多く、ジュエリーに用いられている琥珀のほとんどはこの種のものです。現在の加工技術によって、これらの琥珀に透明感を出すことが可能です。
乳白色の琥珀も稀であり、全体のたった1〜2%程度です。これらの琥珀は、別名「ロイヤル」とも呼ばれ、中には、黄や緑色等の他色と混じり合う”色の装飾”をなす興味深いものもあります。
青色の琥珀は、最も稀で最も価値が高いと言われています。その占める割合は、たった0.2%であり、そのほとんどが乳白色の琥珀の中に見られます。
緑色の琥珀も稀であり、およそ2%程度です。中でも興味深いのは、緑みの不透明な琥珀です。
黒色の琥珀は全体の15%を占め、天然の織り成すその色は興味深いものがあります。その大部分は約5000万年前の木の皮などが残ってできたものです。